「ゴッドファーザー~愛のテーマ」
(本田美奈子.さんへ捧ぐ) 曲:Nino Rota
詞:てんけい
風に 想いが あるのなら
わたしの こころ 伝えてよ
果てない み空の
雲の 彼方の あの人へ
雨降る 夜さえ 星空 探すわ
「いいえ… ひとりじゃ ないのね」と
そっと つぶやき 振り向けば
儚い 夜更けが
私の 窓を 濡らしてく
星に ひとみが あるのなら
あの日の 夢を 映してよ
遥かな ふるさと
川のほとりの 夕暮れを
「いつまでも ふたりで 生きる…」と 誓った
だから ひとりに させないで
あふれる 涙 今日もまた
ふたりの この愛
銀河の涯(はて)に 咲く日まで
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4/18に、本田美奈子.さんのCD「クラシカル・ベスト」の御紹介のとき、
(SAPPARI WAYA: 2007年4月)
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ところで、私は、本田さんがどのような詞を書かれたか、ずっと興味がありましたが、やはり、「天才」本田美奈子.さんは、私の予想とは全く違った、独自の詩界を展開されてらっしゃいました。
(実は、私も、「ゴッドファーザー~愛のテ-マ」に詞を書きかけていましたが、恥ずかしくなりましたので、やめます<苦笑>。)
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などと、書いたのですが、
思うところあり、拙詞の掲載に至りました。
かって、本田さんの掲示板において、Mさんより、
「音楽におけるメッセージ性、というものについて、どう思うか」
という、問題提起があった際に、私は、
「音楽を聴いているときは、『言葉』には、たいして神経を払っていない」
という旨の返事を書いたと思うのですが、
どうも、そうでもないように思えてきました。
もちろん、詞を伴わないインストルメンタルは、別として、案外、「コトバ」の存在は、意識的、無意識的にも、大きいものがあるのかもしれないと、考えているこの頃です。
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さて、本田美奈子.さんは、一流の「声楽家」であることは、もちろんですが、このまま、お仕事を続けられたなら、「詩人」としても、名を成しえたことでしょう。
本田さんのクラシカル・クロスオーバーは、
「クラシックに、日本語の詞をつける」
というものです。本田さん以前にも、このような試みは、どなたかの手により、なされたような記憶もあるのですが、今現在、ちょっと思い出せません。(苦笑)
6/4、羽田先生の訃報に接したとき、
(SAPPARI WAYA: 2007年6月)
近年の「クラシック・ブーム」は、私的な見解では、
本田美奈子.さん と、「のだめ」と、TVにおける羽田健太郎氏のご活躍の賜物、と考えていたのだが(偏狭な考えかも、ですが)。
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と、記しました。
試行錯誤の末に、ようやくたどり着いた、その道の半ばにして、夢を断たれた、本田さんの御無念は、筆舌に尽くせません。
さて、彼女のクラシカル・クロスオーバー路線の成功の因のひとつとして、昭和~平成を通じての大作詞家、岩谷時子氏の存在が挙げられることは、間違いないでしょう。
岩谷先生は、素晴らしい日本語詞の創作により、本田さんの新たな世界を切り拓くことに、実に多大な貢献をされました。
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ときに、小生の「ゴッドファーザー~愛のテーマ」ですが……
アルバム「時」に収められた、本田さんのscatによる、「ゴッドファーザー~愛のテーマ」を聴きながら、想を練ったのですが…
何ヶ月も費やしたわりには、どうだかなあ、「湿っぽい」しねえ…
「本田美奈子.さんへ捧ぐ」なんて、書いているけど、“女性コトバ”になってしまい…
本田さんからは、「わたし、こんなに、“泣き虫”じゃないから!」
なんて、「お叱り」を受けそうだし…
今は、ただただ、己の非才を嘆くのみです。
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「クラシカル・クロスオーバー」に戻りますが、
最近、私は「絵本」を、連想しています。
みんな、子供の頃は、まず、「絵本」を手にしましたよね。
成長につれて、「絵」と「文字」の地位が逆転して、
「挿絵」付きの本になり、
やがて、「文字」だけの書物へと変わっていくのですが、
ある意味、「クラシカル・クロスオーバー」って、「絵本」みたいなもの…
なんて、考えたりしているこの頃です。(むむ、「稚拙」な「暴論」だ)
いずれにせよ、日本語詞により、クラシック音楽に関心を持たれる方が増えたなら、結構なことでしょう。
本田美奈子.さんって、たいそう、大きな“実験”に着手されていたんですね。
で、……「てんけい」も、次回は、クラシック曲に、詞をつけてみます。(笑)
(アホ、やめとけ、やめとけ) (おしまい)
(付記)
ニーノ・ロータのこの曲、映画公開時も大ヒットしました。
本当に、綺麗なメロディーラインです。
そして、星の数ほどのたくさんの歌手の方が、歌っておられますね。
また、ピアノや、バイオリン等等、さまざまな楽器のアレンジでも、楽しめます。
本日は、他のアーチスト、オーケストラには、ご遠慮願い(笑)、
本田美奈子.さんの「ゴッドファーザー~愛のテーマ」に絞ります。
アルバム「時」では、スキャット、また、
「天に響く歌」では、本田.さん御自身の作詞による歌唱が、鑑賞できます。見事な詩です。
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