忘れようとして(22)~フランス同時多発テロ。
平原綾香さんのコンサートの話題は、まだ途中なのですが、
事態が事態だけに、少しだけこの件について、
忘れようとする前に、書き並べてみようかな、と。
フランスの皆さまの悲しみは、私たちの悲しみでもあります。
心より哀悼の意を捧げます。
§思い出したこと~その1。
私見では、「浄土の真宗」が他の宗派を見る場合、
相当、寛容な立場にあると思います。
私がそう考える理由は、「歎異抄」の第二条にあります。
以下に部分引用いたしますが、長いので、
お急ぎの方は、読み飛ばしてください。
~~~~~~~~~~
親鸞におきては、ただ念仏して弥陀にたすけられまゐらすべしと、
よきひと(法然)の仰せをかぶりて、信ずるほかに別の子細なきなり。
念仏は、まことに浄土に生るるたねにてやはんべるらん、
また 地獄におつべき業にてやはんべるらん。総じてもつて存知せざるなり。
たとひ法然聖人にすかされまゐらせて、念仏して地獄におちたりとも、
さらに後悔すべからず候ふ。
そのゆゑは、自余の行もはげみて仏に成るべかりける身が、
念仏を申して地獄にもおちて候はばこそ、すかされたてまつりてといふ
後悔も候はめ。
いづれの行もおよびがたき身なれば、とても地獄は一定すみかぞかし。
(中略)
詮ずるところ、愚身の信心におきてはかくのごとし。
このうへは、念仏をとりて信じたてまつらんとも、またすてんとも、
面々の御はからひなりと云々。
~~~~~~~~~「歎異抄」 第二条(部分)
要するに、聖人の述懐は、
「自分は、地獄以外に行き着く場所が無いのである」
「ですから、念仏を捨てようとも、信じようとも、皆さんの勝手ですよ」
ということなのです。(意訳:筆者)
これまた、私見ですが、比するに、
例えば日蓮宗は、むしろ、“寛容”とは逆の性向があるようです。
その流れを汲む、といわれるのが、
現在の、政権与党=公明党の支持母体である創価学会ですが、
今回はそれには触れません。
アラブ・パレスチナ問題、また、中東紛争について語られるとき、
たびたび、“やおよろずの神”といった言葉に象徴される、
「日本人の宗教的寛容性」ということが語られますので、
今日もそんなことを思い出しました。
ただ、注意すべきことは、
今回のIS(=自称“イスラム国”)、また、アルカイダにおいてもですが、
彼らは、イスラム教の教義とは一切関係のない集団ですから、
このように「日本人の宗教的寛容性」などという概念を持ち出すことは、
ときに、「場違い」な議論に陥ることがあります。
§思い出したこと~その2。
後藤健二氏、湯川遥菜氏のお二人がISによって殺害された事件は、
今なお記憶に新しいことでしょうが、
当時、日米政府がそれぞれ、声明を発表しました。
~~~~~~~~~~
A:「後藤さんは報道を通じ、勇気を持ってシリアの人々の窮状を世界に
伝えようとした。
われわれの心は後藤さんの家族や彼を愛する人々とともにある」
B:「テロに屈しない。-----テロリストたちを決して許さない」
~~~~~~~~~~
AとB、いったい、どちらが安倍総理で、
どちらがオバマ大統領の言葉だったでしょうか。……
答えは、Aがオバマ大統領、
Bが、わが日本政府を代表する安倍首相の声明でした。
安倍総理が“安保法案”を強行採決したからには、
日本は、ますます米国と共同軍事作戦を行うようになることでしょう。
我が国は、もう、かってのように、
「中東地域では、欧米諸国と違い、中立である」
とは言える立場ではなくなりました。
日本国内でも、今回のフランスのようなテロの起きる可能性は、
ますます増大していると言えます。
§思い出したこと~その3。
~~~(引用開始)「亀井一成さん死去…国内初のチンパンジー人工飼育成功」
神戸市立王子動物園で飼育員を務め、国内で初めてチンパンジーの人工飼育に
成功したことで知られる、亀井一成さんが死去したことが14日、分かった。
80歳だった。葬儀は親族で済ませた。
1963年以降、未熟児や育児放棄されたチンパンジー計4頭を自宅に連れ帰り、
妻とともに育てた。うち1頭の「チェリー」は現在も王子動物園で飼育されている。
90年に動物園を退職した後も講演活動を続けた。 (引用終了)
~~~~~~(2010年9月14日 スポーツ報知より)
“ン十年前”のことで、あやふやな記憶なのですが、
亀井一成氏の、忘れられない言葉があります。
大意は、たしか、以下のようなものだったと思いますが。
▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽
「サーカスで、動物が後ろ足で、立ってみせることがよくありますね。
実は、四足歩行の動物が、後ろ足で立つということは、大変なことで、
例えると、人間でいえば、私たちが“逆立ち”するのと同じくらいの負担が、
身体に掛かることになります。……
(動物園の)動物にとっての幸福、といいますと、子供を作って、
そうして家族と一緒に、健康に暮らしていくということではないですか」
▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽
このお話を聞いて以来、私のサーカスを見る目が変わりましたが、
亀井氏のこの“動物の幸福”についてのお話、
私たち人間にも当てはまるのではないでしょうか。
冒頭、知ったかぶりで「歎異抄」なんぞを引用したりしてしまいましたが、
では、いま現在、何をどのようにするべきなのか、
正直、アタマは混乱するばかりなのです。
「テロに屈しない。-----テロリストたちを決して許さない」
それはそうでしょうが、空爆だけで、解決するとも思えません。
識者の意見を聞いていても、“隔靴掻痒”で、
具体的に何を言いたいのか、よくわかりませんでした。
卑近な言葉で恐縮です、
無関心が差別を生み、差別が貧困を生むといわれます。
「格差社会」というフレーズは、現在の日本でもよく見聞き致しますが、
イスラム社会の経済格差は、人をテロリズムに走らせるほど、
極限状態にあると考えます。
それならば、まずもって、市民ひとりひとりの「生活援助」が第一ではないか。
……
身体も、アタマも疲労のピークに至り、とりとめのない雑記になってしまいました、
この辺で、ストップしますが、シリア情勢も、ロシアが主導権を握っているようで、
それも、“なんだかなあ…”という暗い気分の昨今ではあります。
と、まあ、やっとの思いでここまで書きましたが、ひどいニュースがまたも…。
思わず、“亡霊の復活かよ!”と心の中で叫びました。
例によりまして、詳細はこちらで、ということで
JIROさんのサイトをご覧願います。
→「高村氏 テロ対策で「共謀罪」新設など法整備を」←これこそ猛反対しなければいけません。: JIROの独断的日記ココログ版
特定秘密保護法、戦争法案に続き、今回のテロを利用して「共謀罪」の新設…、
国民の権利を無視した、こんなひどい内閣は、いまだかって存在しませんでした。
即刻、退陣させねばなりません。
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