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2023年12月31日 (日)

魔女は眠らない、聖女は眠れない(39)~~~~~~~~~ 「戦艦『大和』反転の真相」深井俊之助氏(その5)

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Amazon 戦艦「大和」反転の真相

 

(前回よりのつづきです)

 

「ヤキ1カ電」についての深井氏の説は、

確かに理論的・原則的にはそのとおりなのですが、

現実問題として、それぞれに、

“いや、必ずしもそうとばかりは言えないのだ”

といった反証が、Wikipediaには書かれています。

 

「『理論』と『実務』は違うのだ」ということですね。

 

特に、この場合の「実務」は、(イヤな言葉ですが)

極限状態=“命のやり取り”をしている「戦場」にあるのです。

当時、栗田艦隊は数度にわたる空襲を受け、

「大和」のみならず全ての艦艇が混乱の極にありました。

言うまでもなく「大和」は、当時最高の装備、機器を備えていましたが、

米機による攻撃で、通信設備は甚大な被害を生じていたというのです。

 

「ヤキ1カ」の地点ではないのですが、

その周辺の海域に米機動部隊発見、

という電報は、5種類ほど存在するらしいのです。

また、「大和」は受電していないものの、

他艦では受信出来ていた電信もあるといいます。

 

Wikipediaを読んでいきますと、

“うーむ、深井氏の結論に揺らぎが----

私は、そんな思いに傾いていきました。

 

また、深井氏は本書中に、「栗田艦隊反転」当時に

「大和」指令室内で深井氏たちが上官たちと交わした会話や、

艦橋内の人員の配置図も再現しておられますが、

Wikipediaには、“いや、そのような会話は無かった”

という証言もあります。

 

“一体、何が真実なのだろう?”

 

深井氏と共に参謀達に抗議を行ったとされる2人は

共に戦死されました。

 

「大和」航海長の津田弘明(ひろあき)大佐は、

同じ空間にいました。

氏は戦後もご存命で、深井氏が岡山に居た頃、

会って何度も話されたといいます。

津田氏は「あれは行けばよかったな」(=レイテ湾に突入すべきだった)

と洩らしておられたと、深井氏は書かれています。

残念ながら、津田氏は身体が丈夫ではなく、

若くして亡くなられたそうです。

 

また、当時、乗員の尊敬を一身に集めていたといわれる、

「大和」艦長の森下信衛(のぶえ)大佐も、

やはり、現場に居合わせていました。

戦後のある時期に、深井氏は、

彼と会う約束をされたのですが、たまたま、そのときに

森下氏が体調を崩されてしまい、面談は実現せず、

その後ついに、氏は他界されてしまいました。

 

なにしろ80年前の出来事、

新しい事実はもう、出て来ないかもしれませんね。----

 

本書を読了して、深井氏の記憶力、頭脳の明晰さには感服しました。

なにしろ、今でもiPadやスマートウオッチを使いこなしておられる、

というのですから、“ITオンチ”の私なんぞは、

足元にも及びません。

 

しかし、初めて読んだとき、違和感を覚えたのが1か所ありました。

捷一号作戦時、“おとり”を務めた小澤艦隊の司令官、

小澤治三郎(じさぶろう)中将から

短刀を贈られた、というくだりです。

 

~~~~~~~~~~~

S19.10.18から数日前のことだったと思う。

その際、士官室に集められ森下艦長から手渡されたはずだ。

~~~~~~~~~~~(P.223

 

文末の「はずだ」。

こんな曖昧な書き方をされているのは、

本書中で、この箇所だけです。

Wikipediaで、某氏の以下の記述が紹介されていまして、

その理由が判明しました。

 

~~~~~~~~~~~

「大和」は捷号作戦が作成された時点で既に外地にいて、

内地にいた小沢中将と深井が合い(ママ)、

軍刀をもらうことなど出来ない

~~~~~~~~~~~

 

この某氏の反論を受けて、深井氏はTV・講演で話していた内容を

書籍化の際に、修正されたということのようです。

 

Wikipediaだけではわかりませんが、この某氏の議論は、

“そもそも、深井氏は指令室には現れなかった”

ということかもしれないと考えました。

 

それはそうと、Wikipediaの記述に、

~~~~~~~~~~~

(某氏は)「最近大和の元高級将校と自称する人物」

と遠回しに深井を名指し

~~~~~~~~~~~

というくだりを読むと、彼にちょっとした「悪意」を感じます。

 

 

これはあくまで一般論として、ですが、

人間の記憶なんて、実にアテにならないものです。

そんなことを、

このたび、レイテ湾海戦について考えてみて痛感しました。

 

敗戦時、軍関係者は機密資料を一斉に焼却処分しました。

 

でも、平時の現在は、公文書は日本国の貴重な歴史史料として、

国民全体の共有財産なのですから、

大事に扱わなければいけない。

然るに、現政権は公文書を

改ざん、破棄、あるいは、最初から作成しない、

という目茶苦茶なことを堂々とやっている。

これだけでも、現政権の不信任に足る十分な事由です。

                       (つづく)

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