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2023年11月30日 (木)

魔女は眠らない、聖女は眠れない(38)~~~~~~~~~ 「戦艦『大和』反転の真相」深井俊之助氏(その4)

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Amazon 戦艦「大和」反転の真相

(前回よりのつづきです)

 

栗田艦隊は、なぜレイテ湾に向かわずに、反転してしまったのか。

戦後、深井氏はこの件について、独自に調査を積み重ねてこられたようです。

そして、本書での結論は、

 

「『大和』司令部に乗艦していた

作戦参謀:大谷藤之助(とうのすけ)中佐が電報をねつ造した」

 

ということでした。

その電報とは?

所謂、「ヤキ1カ電」といわれる電報です。

 

Wikipediaで当該電文を調べてみますと、

0945スルアン灯台5113浬ヤキ1カ機動部隊アリ」

と、あります。

 

一方、本書の深井氏による記述によると、

「敵 大部隊見ゆ ヤキ一カ 〇九四五」(P201)

また、

「栗田艦隊の北90キロメートルに敵大部隊あり、

地点ヤキ一カ、〇九四五」(P188

とも紹介されています。

 

3種類も見ると戸惑ってしまいます)

 

電報のフォーマットをネット検索してみました。

深井氏が漢数字を用いておられますので、

おそら戦闘日誌等と同じく、縦書きなのだろう、と思っていましたが、

どうやら、その通りで、

「軍用電報送達紙」という印刷用紙が使用されていたらしい。

 

右端にタテ長に受信人・発信人の欄があり、

上部に発所、着所・受信手、及びそれぞれの月日・時刻・所在地の欄が

あります。(他にも欄がありますが判読不能でした)

残りの空白部分に電文を記入する、といったフォームでした。

なお、通信手段としては、モールス信号が使われていたようです。

 

さて、数字の「0945」は時刻、「ヤキ1カ」は位置を表す記号です。

「ヤ」が横軸、「キ」が縦軸で「1カ」は更に

その該当した“マス目”を、更に16分割して、

その内の1部分を特定しています。

 

電報に書かれた位置の米艦隊と戦うために、

レイテ湾とは反対方向に舵を切った、ということですね。

 

深井氏が、その「ヤキ1カ電」をねつ造であると断じた理由は

次の3点。

 

*************************

  1. 優秀な「大和」の通信機器・通信班では受信していない。
  2. 通信要員が一部しかいない栗田艦隊の通信班が受信したと。

  (出発して早々に旗艦「愛宕」が沈められたため、栗田艦隊司令部は「大和」に移乗していました)

  1. 発信者も受信者も記されていない電報など存在し得るか。

*************************

 

上記の深井氏の結論は、私には「初見」でありましたが、

“レイテ湾海戦について、現場の兵士による

こんな明白な説が展開されているのだから、

この本は、さぞ大ベストセラーになったのかな“と思いましたが、

どうだったのでしょう。

(小生、新聞・TVはこのところ御無沙汰していますので、

世間の情勢には疎いものでして)

 

とにかく、レイテ沖海戦 - Wikipedia

をチェックすることにしました。

 

*************************

ちょっと横道にそれますが、

私はWikipedia100%正確であるとは思っていません。

でも、参考に資するには重宝なことが多いです。

 

あと、特記しておくべきことがひとつ有りますので。

 

日本語版ウィキペディアの歴史修正主義」という問題ですね。

この件、数年前からあったのですが、

たぶん―今も存在していると思っています。

具体的には、先の大戦に関した項目で頻出しており、

例えば、「731部隊」とか、所謂「慰安婦」ですとか「南京事件」等々。

 

ごく最近々の事案では、松野官房長官の、

関東大震災時の朝鮮人殺戮に関し、

「政府内に事実関係を確認できる記録が見当たらない」という発言。

→関東大震災時の朝鮮人虐殺 「記録なし」松野官房長官:東京新聞

 

「日本語版ウィキペディアの歴史修正主義」が、

「今も存在している」と想像している理由は、

先日の「Dappi事件に関する判決」があります。

デマ拡散『Dappi』 首相は調査を否定 中日スポーツ

この「Dappi」には自民党が深く関与していると考えるのが妥当。

 

つまり、「現在の自公政権は歴史修正に躍起になっている」。

「日本語版ウィキペディアの歴史修正主義」も、

Dappi」に倣ってでしょうか、

組織的に歴史修正主義勢力が動いている可能性が高い。

*************************

 

レイテ沖海戦 - Wikipediaの分量は、大変なものです。

正直、全文を読んでいませんが、

深井氏の説についても、記述がありました。

 

ここで私が判ったことは、本書の刊行を待つまでもなく、

以前から、つまり、終戦直後から

「『ヤキ1カ電』ニセ物説」は存在していたらしいですね。

                                (つづく)

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