« 2019年11月 | トップページ | 2020年1月 »

2019年12月29日 (日)

忘れようとして(39)~来年公開の映画『燃えよ剣』の監督・脚本は原田眞人氏。

Img_20190504_132555

(前回からのつづきです)

 

さて、上記のタイトルのとおりに、

来年公開予定の映画『燃えよ剣』では、監督も脚本も、

原田眞人が務めておられます。

HPでの、氏のコメントを読みますと、

“これは面白い映画になるぞ”といった期待感があふれてきますね。

 

(現時点では既に撮り終えているはずです。

 あるいは編集作業すらも、終了しているかもしれません)

 

HPの下方にある文字が目に入りました、これです。

 

BARAGAKI/UNBROKEN SAMURAI

 

ひとこと、私の感想を述べさせてください。

UNBROKEN SAMURAI」の示す意味が、私には解りかねますので、

(そもそも“横文字”を使う必要があるのかどうか)

これは、そっとしておきます(苦笑)。

 

BARAGAKI」は、ローマ字表記です。

すなわち、日本語で「バラガキ」。

この語は、司馬遼太郎原作本の「燃えよ剣」を開いて

僅か数頁めくった箇所に現れています。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

この近在では、歳三のことを、

「石田村のバラガキ」

と陰口でよんでいる。(中略)

乱暴者の隠語だが、いまでも神戸付近では不良青年のことをバラケツというから、ひょっとするとこのころ諸国にこの隠語は行われていたのかもしれない。

~~~~~~~~~~~~~~~~「燃えよ剣」(上)『女の夜市』より

 

この「バラガキ」という言葉には、どうしても、

“未成熟な人間”

といったニュアンスがつきまといますので、

私は、賛成できかねます。

 

もしも、今回の映画のように

土方歳三について端的なキーワードを用意するなら、

「喧嘩(ケンカ)師」という語のほうがふさわしいと考えます。

 

この「喧嘩師」という言葉は、歳三の生涯を読んで心に残った

印象的な語彙です。

 

「喧嘩師」なる語は、上巻でも登場していますが、

一番、インパクトの有る部分はこちらでしょう。

鳥羽伏見の戦いのとき、

会津藩の大砲奉行の林権助老人との会話のくだりです。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「この地図は、どなたが作ったのです」

「私ですよ」

 と、歳三はいった。この男は、多摩川べりで喧嘩をしていたころから、かならず地形偵察をし、地図を作ってからやった。たれに教えられた軍学でもない。歳三が、喧嘩をかさねてゆくうちに自得をしたものである。(中略)

「これで戦さをなさるのか」

「いや、この敵の配置は、たったいま現在のものです。(中略)喧嘩の前には忘れますよ」

と、権助の見ている前で破り、そばの火鉢の中にほうりこんだ。

~~~~~~~~~~~~~「燃えよ剣」(下)『鳥羽伏見の戦い・その2』より

 

土方歳三の「喧嘩師」たる所以が、鮮やかに描かれていると思いますが、

いかがでしょう。

 

 

このシリーズ、沖田総司、そして、脚本家の結束信二

また、監督について書いてきましたが、

いよいよ、「燃えよ剣」の主人公、

喧嘩師:土方歳三の登場の予定です。

 

                   (つづく) (文中敬称略)

 

*司馬遼太郎「燃えよ剣」は、新潮文庫版から引用しました。

PS:ピンク色の文字にはリンクを貼っています

| | コメント (0)

« 2019年11月 | トップページ | 2020年1月 »