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2019年4月 6日 (土)

忘れようとして(29)~沖田総司と「燃えよ剣」。

Photo_2

(前回からのつづきです)

2020年公開予定の司馬遼太郎原作の「燃えよ剣」ですが、

監督・脚本は、原田眞人。

発表された配役は、このブログを書いている時点で5人です。

 

 

岡田准一が、主役の土方歳三を演じることは前回書きました。

発表されている他の4名は、

局長:近藤勇には、鈴木亮平、

一番隊隊長:沖田総司を、山田涼介

新選組初代局長:芹沢鴨を、伊藤英明、

そして、

お雪(司馬遼太郎の創作人物)には、柴咲コウ、

それぞれが扮します。

 

私が「お!」と感じたのは、岡田准一、鈴木亮平、柴咲コウといった

“絶妙”な配役を見て、制作者側の「本気度」を確信したのです。

ただ、芹沢鴨を伊藤英明が演じることについては、

“あ、そこか…”と思いました。

 

新選組を扱った場合、ほとんど「芹沢鴨暗殺」のエピソードが

挿入されるのですが、そこの部分に貴重なフィルムの“尺”、

つまり(上映の)時間をいくばくか費やしてしまうことになります。

私なら“芹沢鴨抜き”でのドラマ進行を考えたいのですが…。

1970年の2クールにわたるTV映画のように、

時間に余裕があれば別ですが)

 

さて、沖田総司に扮する山田涼介については、

私、何も知らないのです(苦笑)。

いわゆる“ジャニーズつながり”での配役でしょうか…。

“まあ、誰でもいいよね”というのが、私の第一感でした。

これは、「批判」でもなんでもありません。

つまり、「沖田総司のキャスティングは難し過ぎる!」

というのが、正直な私の想いなのです。

 

 

“沖田総司を演じるための3条件”というのを

お聞きになったことがありますでしょうか。

これは、沖田を主題にして多くの小説を著した、

医師で作家の森 満喜子が挙げていました。

 

  1. 天才的な剣の使い手であったこと
  2. 不治の病(結核)に侵されていたこと
  3. にもかかわらず、非常に明るい性格であったこと

 

上記の3つの要素が、“沖田役”にとっては必須、であると。

 

この「3条件」は、

子母澤寛の書いた『新選組三部作』にその原型が存在します。

彼がその著作を発表したのは19291931年で、

その頃は、まだ明治維新を生きてきた人々が存命中でしたから、

内容的には、主に“聞き書き”といった手法で構成されています。

 

では、沖田総司についての記述を、

その『新選組三部作』から、ちょっと読んでみましょう。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

丈の高い痩せた人物、肩がぐっと上がり気味に張って、

頬骨が高く、口が大きく、色は黒かったけれども、何処かこう、

いうに云われぬ愛嬌があった。

~~~~~~~~~~~~~~~子母澤寛「新選組遺聞」より

多くの人々が抱いている“イケメン”という雰囲気ではなさそうです。

 

同じ本から子母澤寛の“聞き書き情報”をもうひとつ。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

江戸へ戻る富士山艦の中でも寝たきりであったが、他の病人達と

相変わらず戯談口を利いて、笑ってばかりいた。

「笑うと後で咳が出るので閉口するな」

といったのを近藤が聞いて、

「あんなに死に対して悟りきった奴も珍しい」

と、後で、牛込廿騎町の自宅で妻のつね女へ話したことがある。

~~~~~~~~~~~~~~~子母澤寛「新選組遺聞」より

こういったところが、沖田に対する“イメージ”の

「原点」を構成しているのでしょうね。

 

さて、沖田総司の剣技についてです。

これについては、沖田家に、

「総司が12歳のとき、藩の指南役と試合をして、勝利した」

という古文書が現存しています。

“そんなの、作り話じゃない?”って、思いますよね(笑)。

でも、強かったのは、紛れもなく真実でした。

 

新選組創立以来の同志で、二番隊組長を任ぜられた、

(ちなみに沖田総司は、一番隊組長)

永倉新八の残した言によりますと、

「土方歳三、井上源三郎、藤堂平助、山南敬助などが

竹刀を持っては子供扱いされた。

恐らく本気で立ち合ったら師匠の近藤もやられるだろうと

皆が言っていた」

と語っていることからも証明できます。

 

 

さて、司馬遼太郎の「燃えよ剣」です。    (つづく)

 (文中敬称略)

 

*子母澤寛「新選組遺聞」は、中公文庫版から引用しました。

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