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2019年2月12日 (火)

魔女は眠らない、聖女は眠れない(17)~政治の危機。

(前回からのつづきです)

 

昨年末、「新語流行語大賞」が話題となっていたのと、

ほぼ同時期、やはり、安倍内閣による、

外交面での“誤魔化し”が表面化した。

忘れている方も多くいらっしゃるかもしれないが

私は、かなりの“大事件”と判断している。

 

2018/11/13の安倍首相と、ペンス米副大統領との日米通商交渉。

ペンス氏の発言を、「FTA」と訳したNHKニュースは、

(官邸の命令であろう)直ちに訂正させられた。

日本政府の“言い分”は

FTA(自由貿易協定)ではなく、TAG(物品協定)なのだ」と。

 

しかし、ペンス氏は、来日前夜の自分のTwitterで、

「これから日米間のFree Trade Agreement交渉が始まる」と

100%完全に、明記しているのである。

 

ちなみに、外国メディアは、

―当然のことだが、官邸の意向は受けない―

より、現実の事象に即した報道を行おうとしている。

「より」と記したのは、日本のマスコミと比べて、という意である。

 

 

このとき、AFP通信は、「FTA交渉で日米合意」と報じた。

 

 

私が、“大事件”と申し上げたのは、

以下の3つの事由による。

 

1.政府が国民を騙している

2.政府がメディアに圧力をかけた

3.メディア(NHK)がそれに屈した

 

次に、やはり昨年11月の頃になるが、

日ロ平和条約交渉において、

プーチン大統領は、自国メディアの前で、

「先に安倍首相の方から提案してきた2島先行返還で合意した」

と語ったというもの。

当時、これを伝え聞いた安倍首相は、

日本の方針は変わっていない、あくまで4である」と言った。

 

ところが、

今年に入っての首脳会談(2019/1/22)についての

ニュースを見聞きすると、安倍首相の現状のスタンスは、

2島」の方向に、かなり重心を移しているようである。

となれば、日本とロシア、どっちもどっちだが、

―これは確度の高い推論ではある―

安倍首相がプーチン大統領に抗議した、ということも無かったようだし、

また、去る2/7の「北方領土の日」の全国大会での

大会アピール文でも、例年使ってきた

「北方四島が不法に占拠されている」との文言が消えたことからも、

(→消えた「不法占拠」の文言 北方領土の日:朝日新聞デジタル

本件については、昨年のプーチン氏の発言の方が

“真実味”に優る、と思えてしまう。

 

こういう「誤魔化し」「強弁」は、

国内政治でも、もちろん問題だが、

特に、外交という場面では、

極めて大きいリスクが生じることは間違いない。

(海外メディアは、日本のように“従順”ではない)

 

 

極めて大きいリスクと、書いたが、前回書いた

障害者の水増し雇用、また、統計不正についても全く同様の危険性が存在する。

政府の公表する数字が、信用できないとなれば、どうなるか。

 

株式市場は、賃金・雇用など、統計の数字によって左右される。

外国の機関投資家が、“日本政府の統計など、アテにならん”

(ついでに“企業コンプライアンスもだ!”と言うかもしれない)

とばかりに、日本株式から資金を引き揚げたらどうなるか。

 

GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、

現在、約160兆円の公的年金を運用しているが、

50%を株式での運用に充てている。

株式市場が暴落すれば、いよいよ、

我が国の年金制度は、現実的崩壊を迎える。

 

極端なシナリオだが、これは予想可能な結末ではある。

 

 

成果の乏しい“アベノミクス”に比し、

“外交の安倍”と喧伝されたりするが、それはどうか。

IWC(国際捕鯨委員会)から我が国が脱退したことは、記憶に新しい。

これは明らかに「外交的失敗」、あるいは、

「情報発信力に欠陥あり」である。

 

もっとも、いまさら、

『資源としての鯨の生息数etc』の資料を公表したとしても、

世界中から、“日本の統計は信用できない”

と言われるのが、オチであるが。

 

 

冗舌に過ぎた。結論を急ぐ。

 

 

前回の「ご飯論法」と、本日取り上げた、

外交面における虚偽と欺瞞、つまり政府の「二枚舌」は、

全くの同根であると、私は考える。

更に、新たに浮上してきたのが、

官邸の東京新聞記者に対する「脅し」、

(→官邸記者会見の検証 | ハーバービジネスオンライン

これも加えねばならない。

 

 

安倍政権下における、言葉や数字をもてあそぶ欺瞞や、虚偽、

更にメディア・野党議員に対する恫喝は、

民主主義社会では、最も、存在が許されないものであることを、

私たちは、確認しなくてはならない。

 

されば、彼らが言うところの

“憲法改正云々”の方向性は、いかなるものであるか、

明明白白であることを知るべき。

 

つまり、「国民主権」「三権分立」という、

民主主義の最も基礎的な概念が、

今の日本社会で、果たして成立しているのだろうか、

ということを考えねば。

 

 

私見を申し上げる。

現状、行政府=内閣の力が、異常に大きくなっている。

結果、国会も司法も、その責務を十分に果たし得ていない。

第二次安倍内閣がもたらしたのは、

この「危機に瀕した民主主義」という事態である。

 

統一地方選、参院選を控えた2019年、

国民の判断は、重大である。

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