« 忘れようとして(17)~山田道美九段のこと。(つづき) | トップページ | 東日本大震災より、6ケ月経ちました。(1) »

2011年8月28日 (日)

“世界のオザワ”のように「日本を背負って立つ気概」があるか~民主党代表選。

本日は、“大雑談大会”であります。

小澤氏-----と申しましても、

今もっぱら話題の民主党の小沢一郎氏ではなく、“世界のオザワ”のほうです。

まあ、小沢一郎も、全然違った意味で“世界のオザワ”かもしれませんが(笑)。

asahi.com:小澤征爾さんが北京で中国医学による診察を希望 - 人民日報 - 国際

“世界のオザワ”っていえば、クラシック音楽のファンではなくても、

ほとんどの人が御存じでしょう、

我が国における、世界的指揮者のおひとりでいらっしゃいます。

現在、肺炎に罹っておられるそうですが、本当に気がかりですね。

§小澤征爾氏の青春時代のエピソード

さて本日、小澤征爾氏がまだ20代の頃に著された本より引用してみます。

氏が、1959年、フランスでの

ブザンソン国際指揮者コンクールに出場されたときのことです。

このとき、24歳。東京オリンピックの5年前ですね。

~~~~~~~~

これ(筆者注:第二次予選のこと)がまた大変な難関である。

課題曲はサン=サーンスの「序奏とロンド・カプリチオーソ」と、

フォーレの「タンドレス」である。

(中略)

フォーレの方は、あらかじめ60人編成の各パートの譜に、

赤インクで間違った譜が書き込まれてある。

ヴァイオリンが違っていたり、間違えやすいホルンとトロンボーンの音が

入れかえてあるというぐあいに、都合12か所の誤りがある。

それを5分間で発見して、完全なオーケストラに仕上げろという課題なのだ。

ぼくはスコアを見つめ、神経をとがらして聞きながら棒を振っていった。

またたく間に5分間は過ぎた。

ぼくは12の誤りをぜんぶ指摘することができた。

~~~~~~~~小澤征爾氏著「ボクの音楽武者修行」より (引用筆者)

指揮者というと、観客に背を向けて、

ただ指揮棒を振ってるだけのように見えますが、もちろん、そんなものではなく、

上のように、大変な修練を要する仕事であるわけですね。

さて、コンクール参加者は54名、第一次予選を通過したのは17名。

そして上記の第二次予選を突破したのは、小澤氏を含めて6名でした。

この6人が最終の本選に出場したのですが、

その結果、見事、小澤氏が第一位に輝きます。

その瞬間のことを、氏はこう書き残しておられます。

~~~~~~~~

その間もぼくはひっきりなしにカメラでパチパチとやられ、

また新聞記者のインタービューぜめにあった。

大変なことになったと思った。

なにしろぼくにとっては初めての外国のオーケストラだし、

曲はむずかしいし、フランス音楽が主なので、

ぼくにはかなりの難関だった。

それでも新聞記者の問いに対しては、

「この程度のことは、日本の音楽教育の課程では、

ほとんど基礎的なことに過ぎない」

と言ってやった。記者たちは驚いていた。

~~~~~~~~上掲書より、(引用筆者)

この本が出版されたのは、コンクールの2年後の1961年、

小澤氏が26歳のときのことです。

同書をお読みになればわかりますが、

当時は、まだまだ、外国に渡航することさえ、大変な時代でした。

(現に、氏は貨物船で出国されています)

当時の小澤氏には“若気の至り”も、もちろん多少はあったとは思うのですが、

それでも、

“極東の島国だからといって、また、戦争に負けた国だからといって、

日本人をバカにするなよ“といったような、

いわば、「日本を背負って外国に来ている」といった、

“気概”を有されていた

それが、上記のような、現地の新聞記者に対してのコメントに表れたのでしょう。

§国家を背負う気概が本当にあるのか

さて、民主党の代表選、明日には新しい首相が誕生の運びではありますが、

ここ数年、総理また政治家の心の中に、この小澤征爾氏のような、

「日本を背負って立つ」といった決意があるのかどうか。

私には、甚だ疑問に思えます。

もちろん、問題を有するのは、日本国内の政治だけではありません。

海外勤務を嫌がる若者が増えている、ということも聞いたことがあり、

“内向き”なのは、現代の“風潮”かもしれませんが、

3・11以降、殊に日本の政治は“内向き”になっているようです。

世界のことまで、手も、アタマも回らないらしい。

欧州、中東、言うまでもなく世界は激動していますし、

また、前述の“内向き”といわれるわりには、

その内政もまったくヒドいものであることは、国民の一致した意見でしょう。

具体的数字を、なにひとつ出さない不毛な政策論議などよりも、

今、代表選候補者が真っ先にやるべきことは、

鳩山・管政権が、なぜ失敗したか、といういわゆる“総括”です。

5名の候補者は、全員、国民の前に、

成果としての数字(自民党政権との比較etc)も併せて、その総括を表明し、

また謝るべきところ(外交問題など)は、謝らねばなりません、

といっても、なにをとっても「お詫び」に終始することにはマチガイないのですが。

挙党一致」とか「党内融和」などとは、皆さん口にしていますが、

「小沢詣で」をやってる間は(小沢一郎氏は党員資格停止中です)、

“そんなことアリエナイ、絵空事さ”と全ての国民は、とっくに気づいています。

あの連中、どういうつもりで語っているのか、私には理解できない。

真の政治主導の実現」なんて、今頃言われてもねえ。

2年という“授業期間”は、決して短すぎるとはいえません。

政治評論家の屋山太郎氏の著書に、「官僚亡国論」なんてのもありましたが、

政権交代して、よけいに悪くなったのなら、官僚批判の前に、

自らの無能をまずもって恥じ入る他は無いはずです。

 

ところで、代表選の争点は、「増税論議」だそうですが、

私は、それよりも、「原発問題」であるべきだと思います。

なぜなら「原発」は、単に日本民族だけの問題ではなく、

全地球的規模の「環境破壊」につながっている問題だからです。

この今なお進行中の放射能汚染の実態を、国民にも、また全世界にも、

数字とともに公表することが重要です。

正しい情報を欲しているのは、日本国民はもちろん、全世界なのですね。

現に、イギリス・ドイツなどは、311以降、

風向き、雨雲の推移などの気象情報のHPを立ち上げています。

これは、本来ならば日本政府が、

世界に対して発信すべき情報なのではないでしょうか。

そして、

必要ならば、世界中の放射線専門家の知恵を借りることも考慮せねばなりません。

ただ、以前にも拙ブログでもご紹介しましたが、

我が国には小出裕章・京都大学原子炉実験所助教という

(はなはだ失礼な言い方かもですが)非常に優秀な専門家がおられます。

YouTube - 【大切な人に伝えてください】小出裕章さん『隠される原子力』

氏の北朝鮮についての見解については、問題があろうとは、私も思いますが、

今は、半島の議論よりも、世界的な課題である「フクシマ」について、

知恵を結集させることを優先せねばなりません。

前にも記したように、311以降、小出先生のご意見はよく拝聴していますが、

個人的感想ですが、この福島原発の事故の推移については、

8割くらい、氏の予想は的中している、というのが実感です。

ならば、政府も東電も、もっと、小出先生の説に耳を傾けてほしいのですがね。

まずは、数千億円かかるかも、という試算があるそうですが、

第一原発の地下にダムを作り、放射能汚染から、地下水・太平洋を

守らねばなりません。

教育施設の除染とともに(もう、新学期は始まってしまいましたが)、

これは急ぐべきであろうと考えます。

福島原発事故は、今も進行中です。

政府は、今も情報を隠しているようですが、連中の言うような楽観論は、許されません。

だいいち、現在、ウラン燃料がどんな状態にあるのか、誰も把握していないのです。

ならば、「収束」の方法も、方向も、結末も明確にできるはずなどないのではないか

“ゴマメの歯ぎしり”でしょうが、最後にもう一度。

1.全候補者は、まずもって鳩山・管政権時代の反省点を掲げよ。

2.危機的状況は、なんら変わっていないことを認識し、

「福島原発」の問題に、全精力を注げ。  

さて、5人の候補者、誰が総理になっても、うまくいくまい、

というのが、小生の予想ですが……         (おしまい)

----------------

“世界のオザワ”ってだれ?って方もおられないでしょうが

おなじみ、Wikipediaです。小澤征爾 - Wikipedia

ボクの音楽武者修行 (新潮文庫) Book ボクの音楽武者修行 (新潮文庫)

著者:小澤 征爾
販売元:新潮社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

立ち直れるか日本の政治―官僚の操り人形だった自民党 天下り根絶に失敗した民主党 Book 立ち直れるか日本の政治―官僚の操り人形だった自民党 天下り根絶に失敗した民主党

著者:屋山 太郎
販売元:海竜社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

|

« 忘れようとして(17)~山田道美九段のこと。(つづき) | トップページ | 東日本大震災より、6ケ月経ちました。(1) »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

書籍・雑誌」カテゴリの記事

経済・政治・国際」カテゴリの記事

音楽」カテゴリの記事

コメント

日本人には、意思がない。が、恣意 (私意・我儘・身勝手) がある。
英米人は恣意の人を相手にしない。
'Shame on you!' (恥を知れ)と一喝して、それで終わりである。
恣意の人は、子供・アニマルと同等である。

子供・アニマルの状態になるのは、日本人としても恥ずかしいことである。
だから、普段は胸のうちに秘めている。
いずれにしても、腹の底にたまっていて、公言できない内容である。

言葉にするのをはばかられる内容であるから、言外の行動に出る。
それで、本人は、わけのわからぬ暴動を起こす。
この問題に対処するには、本人のリーズン(理性・理由・適当)を理解するのではなくて、周囲の者の察しが必要である。
察しは、他人の勝手な解釈であって、本人の責任とはならない。

その内容を「真意は何か」と言うふうに、本人に問いただすこともある。
言外の内容は、言語を介しては通じにくい。腹を割って話さなくてはならない。
日本人といえども、恣意の内容は公言をはばかられることである。
恣意の実現のためには、赤子になったつもりで、皆の衆に甘えさせてもらうものである。
こうした人情話をするには、是非とも談合が必要である。

英米人は、リーズンを求めている。
英語で答えるときは、リーズナブルな内容を提出しなければならない。
以心伝心・言外の内容などを求めていない。
'Be rational!' (理性的になれ) にも、'Shame on you!'にも意味がある。
日本語の理性には意味はなく、恥も英語の内容とは違ったものになっている。

だから、英文和訳の方法により英米文化を取り入れることは難しい。
日本語による英語教育の振興にも限界がある。


http://www11.ocn.ne.jp/~noga1213/
http://page.cafe.ocn.ne.jp/profile/terasima/diary/200812

投稿: noga | 2011年8月29日 (月) 02時24分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: “世界のオザワ”のように「日本を背負って立つ気概」があるか~民主党代表選。:

« 忘れようとして(17)~山田道美九段のこと。(つづき) | トップページ | 東日本大震災より、6ケ月経ちました。(1) »