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2010年6月13日 (日)

「クリスマスの約束2009」(2)~小田和正さんがやろうとしたこととは…

(前回のつづきです)

 

弥陀の五劫思惟の願をよくよく案ずれば、ひとへに親鸞一人がためなりけり。

~~~~~~~「歎異抄」より引用

親鸞聖人のお言葉として、唯円が「歎異抄」に書き残した文である。

「五劫」とは何か。「劫」とは時間の単位。

一説に「一劫」とは、百年に一度、天女が舞い降りてきて、

一辺が40里もある巨大な岩石を、その羽衣で撫でて帰ってゆく。

それを続けて、その40里四方の岩が

なくなってしまうまでの時間が「一劫」とされる。なんとも、気の遠くなる話ではある。

 

この言葉を発せられたとき、確かに、

親鸞と阿弥陀仏は、“直接向き合って”対話されていたのだろう。

この時間・空間を超えた、親鸞と阿弥陀仏の対峙を考えると、

もはや、親鸞の思想は、「宗教」を超越し、

「哲学」にまで達したといっても、過言ではない。

~~~~~~~~~~

さて、お約束の前回記事への「傍論」、ないし“暴論”である。

私なりの推測では、

小田和正さんの“実験”の目的とは、「神との対話」だったのでは、と思う。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・

このライブは、“○○○チャリティー”とか、

“×××を救うキャンペーン”ではない。

(もちろん、そのような趣旨のものを私は否定しないが)

やることは、ただひとつ、

小田さんの言葉を借りるなら、前回紹介した、

 

「それぞれが、自分の歌を、“歌いたおす”」(さらに、全員でそれを支え合う)―

 

このことに尽きるのである。

 

本田美奈子.さんのご提唱で「Live For Life基金」が設立された。

認定特定非営利活動法人リブ・フォー・ライフ美奈子基金

その「Live For Life」には、『生きるために生きる』という邦訳が充てられているが、

それに倣うならば、“歌いたおす”とは、

『歌うために歌う』ということに他ならない。

 

「浄土の真宗」においては、『専修念仏』といい、

“ひたすらに念仏せよ”と説かれる。

(ちなみに、禅宗では、『只管打座』。“ただ、座禅を組め”と。)

徹底的に純化された行為は、

精神活動も、“神の領域”へと導いていく。

 

さて、小田和正さんが、今回のイベントにより、実現しようとしたこととは、

アーチストも、観衆も、「神との対話」が体験出来るのではないか、ということ。

これは、私の“妄想”であろうか。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

本田美奈子.さんが天界に還られて以降、

「ヒトは、なぜ、歌うのか」ということを、

私なりに、考えていたのだが、

 

歌の起源は、おそらく、

神へ捧げる、「祝詞(のりと)」のようなものがそのルーツであると考える。

狩りの成功、また豊作の願いなどを、神に託した“祈り”が、

歌、或いは、音楽へと発展していった。

だから、元来、音楽とは、「神」(或いは、「宇宙」)との交信をはかる、

神聖なものであり、(原始)宗教的儀礼にその起源を見出されるであろう。

 

みなさんも、歌や音楽を、コンサート、またCDで聴いていて、

思わず、胸が熱くなったという経験は、幾度となくあったはずである。

この場合、音楽のジャンルは問わなくともよい。

音楽に貴賎なし。~“アニソン”の「千年女王」、堀江美都子さん。: SAPPARI WAYA

その瞬間、私たちと「神」との対話が実現し、日常性の中に埋没していた、

「神性」(仏教的には「仏性【ぶっしょう】」という)が目覚めた、というべきである。

私は、仮に、これを「神性志向」と呼ぶことにする。

この「神性志向」は、

「神」に対する畏怖、あるいは崇敬、と言い換えられようが、

おそらくは全ての人間に、

いわば、“DNAの一部”の如きものとして存在するものと考える。

 

より具体的に言うならば、

喜びを分かち合い、幸福感を共有すること、

ここに、「ヒトは、なぜ、歌うのか」

(あるいは、「本田美奈子.さんがなぜ、歌いつづけたのか」)

という問いに対しての、

ひとつの答えが見い出されはしないか。

                                    (この項、またつづく)

(注:本稿で用いている「神」という言葉についいてですが、

もちろん、一神教的な「神」を指すものではありません。

より、普遍的・始原的なイメージでとらえていただければ幸いです。)

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コメント

てんけいさん、おじゃまします。
 ご無沙汰しておりました。
 てんけいさんのブログには本当に不思議なものを感じてしまいます。少し前に書いておられました『堀江美都子さん』は学生時代の友人が堀江さんのファンで30年ほど前に「これ聴いてみろよ。」と見せられた数枚のLPレコード全てがアニメソングで「マンガの歌?」と思いながらも聴いてみると、澄んだ青空の様な歌声で堀江さんのファンになる理由が何となく分かった様な気がしたという思い出があります。
 以前、美奈子さん以外にも複数の女性アーティストの曲を聴いている旨を書きましたが、複数の男性アーティストの曲も時おり聴いておりまして、頻度的に多いのがビートルズと単体ビートルは別格にして、『CHAGE&ASKAさん』と『小田和正さん』です。〔クリスマスの約束〕は最初偶然に見まして、毎年12月25日の楽しみになっております。2005年からはDVDに撮ってあります。(2007年の分は音声のみ)2005年からと申しますのは、それの1週間ほど前に美奈子さんの〔天使になった歌姫〕を録画するためにレコーダーを購入したからという理由です。〔クリスマスの約束〕は毎年挑戦・実験的な要素が盛り込まれており、2005年までは複数のアーティストをゲストに迎えての小田和正コンサートのプロモーション的な内容でしたが、2006年から挑戦・実験色が強くなりはじめ、2009年版は、初めから見ている者には「異様」に映りました。2009年版は「小田さんは多くのアーティストの力を結束させる事により、日本のミュージシャンの力を内外に再確認させようとなさったのでは」と私は思いましたが、てんけいさんは >「小田和正さんの“実験”の目的とは、「神との対話」だった」という結論を出され、改めててんけいさんの深さを再確認しました。

 全く別の話ですが、2008年12月頃にセキュリティーを強化されてからこちらのブログを開くのに15分、コメント欄を開くのに5分、コメントを確認するのに5分、ブログを閉じるのに15分かかり、私のパソコンのセキュリティーとの相性の問題だと思われますが不都合を感じております。何か解決法があればアドバイスをお願い致します。

投稿: 西日本 | 2010年6月13日 (日) 15時37分

西日本さん、こんばんは。
こちらこそ、ご無沙汰しておりました。お元気でいらっしゃいますか。

>てんけいさんのブログには本当に不思議なものを感じてしまいます。
そうおっしゃってくださると、私も嬉しいです。
“あのな、オマエの音楽的センスはねぇー---”などと言われたりしますとね---こう、見えましても、けっこう、ツラいものがありますので(笑)。
CHAGE&ASKAさん、小田和正さんは、私も好きです。

>2009年版は、初めから見ている者には「異様」に映りました。
>2009年版は「小田さんは多くのアーティストの力を結束させる事により、
>日本のミュージシャンの力を内外に再確認させようとなさったのでは」と
>私は思いましたが
ずっと、この番組をご覧になっていらっしゃったのですね。
私の見方は「深い」、というよりも、
「こんな“切り口”でもって考えることも可能では」というほどのものでしょうか。
小田さんのファンのみなさんが、不快感を持たれないことを、願うばかりです(苦笑)。
予定より長くなってしまい、この記事、どうまとめたらよいのか、思案中(また苦笑)。

>何か解決法があればアドバイスをお願い致します。
この件ですが、申し訳ないことに、私にはわかりません。私本人がアクセスするには、なんら、問題はありませんので。ちなみに、私は、未だに、「ADSL」も、「光回線」も使っておりませんから、会社で使うPCに比べると、断然、遅いのです(苦笑)。それでも、西日本さんがおっしゃるほどの時間は要しません。
言われますように、「セキュリティーとの相性の問題」かもしれませんが、私のブログのときにだけ、生じる問題なのでしょうか。それなら、やはり、私に責任----??
ありゃー(爆)。

と、“オチ”がついたところで、失礼いたします、
コメントを有難うございました。お時間あれば、また、ご訪問ください。

投稿: てんけい | 2010年6月13日 (日) 17時29分

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