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2009年8月11日 (火)

「アヴェ・マリア~カッチーニ」を聴く。 本田美奈子さん。~<その2>

(前回からのつづきです)

 

§アンバランス感。

 

本田美奈子.さんのvocalは、あまりにも美しい。

しかも、同じ詞をrepeatする中で、歌唱表現に、

ごくごく微妙な変化を加えている。

他の歌手では、こうは、いかないかもしれない。

聴いていると、自然に、彼女の音楽世界に引き込まれてしまうのだが、

前述の如く、聴き終わったあと、

どこか、“満たされない”ような、「なにか」が、私には残る。

 

何故か。

 

その因は、どうも、2コーラス目以降に伴奏部に加わる、

ベース音のせいのようだ。

 

イントロに登場するチェロよりも、更に低い「地を這う」ようなベース音が

奏でられているのであるが、この音色の存在が、

「不吉なるもの」または、「不安定感」を

私の心に引き起こしているような気がしてならないのだ。

だから、本田さんの美しく澄み切ったvocalとの対比において、

実に「不条理な」、また、「アンバランスな感覚」に襲われるのである。

(もちろん、私は、アレンジャー:井上鑑氏の功罪を問うているのではない。

あくまで、私的な感想である)

 

当然のこと、カタルシスは、皆無ではない。

 

だが―

私がこの曲を、毎日、聴いていたことは、前に書いた。

この「どこか、満たされない思い」が、

繰り返し繰り返し聴いていた行為につながってしまったのであろうか。

 

 

当時の私には、本田さんの歌から、

“パワー”とか、“エネルギー” とかをもらった、という実感は持てなかったのだが、

今、こうして、想い出してみると、

“折れそうな心”を抱えながら、

毎日歌を聴き続ける、という行動に駆り立てたものが、

この曲特有の、“音楽のチカラ”だったのかもしれない。

と、なれば、やはり、この「AVE MARIAは、

私にとって、「恩人」である、といえよう。

ここにも、この楽曲独特の“逆説”、というか、

“二面性”の存在が見てとれる。

 

§人生―この「不条理」なるもの。

 

最初の文章において、私は、

http://bluesky1010.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/post-491c.html

 

 

「人生とはなんと不条理なものであろうか」

 

 

と、記した。

本田さんの歌う「AVE MARIA」は、

或は、この人生における「不条理なるもの」、即ち、「光」と「影」を、

そのまま歌い表しているのかもしれない。

 

本田美奈子.さんは、この彼女独自の「クラシック路線」の展開にあたり、

 

 

私は、このアルバムに、命をかけています

 

 

と、記者会見の席上で、毅然として言い切った。だが……

 

§最後に―。

 

しがないサラリーマンの、くだらぬ“愚痴”に付きあわされた、

本田さんも、さぞ、ご迷惑な話であり、

なにより、ここまで読み進まれた皆様方におかれても、

甚だ不快な感を抱かれた方もいらっしゃるであろうから、

そのことについては、まさに、忸怩たるものがあるのだが、

以上が、私の「AVE MARIA」に対する、包み隠しもしない、

全く正直な感想なのである。

 

ただひとつ、言えることは、

この「AVE MARIA」は、

これからも、聴く人々の心それぞれに、

嬉しいときも、悲しいときも、

さまざまな感動を呼び起こすことに違いない。

 

そして、私は、今しばらく、

 

 

本田美奈子.さんの遺されたもの、

そして、

遺そうとされたものについて、

 

 

想いを寄せてみたいと思っている。

 

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<追記>

本田さんの「アヴェ・マリア」のPV動画がこれ。

私が初めて目にしたのは、彼女が天界に還られてからのことだが、

とても、正視できなかった。

今でも、やはり、つらい。

http://www.youtube.com/watch?v=JgmBOJiSK_g

 

 

ここからは、まったくの余談である。

サラ・ブライトマンさんは、本田美奈子. さんにとっての“憧れの人”であり、

また、“目標のアーチスト”でもあった。ラ・ルーナ

 

サラ・ブライトマンさん 「ラ・ルーナ」 (2000年)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0017W7FBW/nifty0b5-nif1-22AVE MARIA

本田美奈子. さん 「アヴェ・マリア」 (2003年)

http://www.amazon.co.jp/AVE-MARIA-%E6%9C%AC%E7%94%B0%E7%BE%8E%E5%A5%88%E5%AD%90/dp/B00008Z6RW/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1249906703&sr=8-1

意匠がやや似ているからといって、“揚げ足”を取っているのではない。

逆に、“彼女のサラさんへ寄せる想いは、かくまでか”と考えたい。

そういえば、ジャケットの本田さんの写真は、上記に紹介したPVと異なり、

どこか、“素”の表情が見られるような感がして、前述のことと併せて、

私にはむしろ、微笑ましく思えるのだが――

所詮、筆者の、“思い過ごし”かもしれぬ。      

100%個人的感想です、乱文長文、及び、妄言多謝。)

                                     ―了― 

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