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2008年12月10日 (水)

「てんけい」の妄想CD。(あとがき)~いえ、雑談です。

今年の初めころ、だったか、

あれから3年、ずっと、気になっていたことと、真剣に向き合ってみよう、と思った。

2008年の「つばさ忌」までに、仕上げよう、とは当初の目論見であったが、

例によって、見事に、間に合わなかったのは、汗顔の至り。

(重複するが)

本田さんの、デビュー20周年を迎えられた当時のご予定としては、

1.「アメイジング・グレイス」(クラシカル・クロスオーバー)

2.日本の叙情歌

3.美空ひばりを歌う

以上のスケジュールであったことが、「11・6」以降に公表された。

この中の1.及び2.については、私も、また、ファンの方の多くも、予想していたことであった。

事実、掲示板等には、数多くのクラシック曲、スタンダード・ナンバー、

映画音楽、童謡・叙情歌のリクエスト曲が寄せられた。

ところが、3.この「美空ひばりを歌う」が、私には、唐突であった。

「どうにも、現状の路線とはそぐわないのではないか」

そんな思いにとらわれたのである。

これは、私だけではないかもしれない。他のファンの方からも、美空ひばりさんの曲へのリクエストはがあったとは、あまり記憶にない。(私が忘れているだけかもしれぬが)

だが、確実に言えることは、これは、本田さんのご意思に他ならない、ということ。

 

「ならば、もし、本田美奈子.さんが、美空ひばりさんを歌わば、どうなるか」

 

誰もやらないのであれば、やってみるべし、と思った。

歌わせてあげたかった。

歌っていただきたかった。

~~~~~~

さほど、ひばりさんのファンでもない私には、「とんでもない」ことになるやもしれぬ、とは思ったが、頭の中でイメージを、膨らませていった。

そういった中で、おぼろげに、ではあるが、「なぜ、ひばりさん だったのか」という理由が、私には想像出来るようになってきた。

「出来上がり」は、下記の本文どおり。全曲を再掲してみると、

~~~~~~

「本田美奈子.  美空ひばりトリビュートCD

MINAKO,ひばり を歌う」

日本の誇る『ソプラノの至宝』の“原点回帰”、

いま、本田美奈子.が美空ひばりの世界に挑む

01. 越後獅子の唄

02. 東京キッド

03. あの丘越えて

04. 長崎の蝶々さん

05. ひばりの花売り娘

06. 港町十三番地

07. ひばりの渡り鳥だよ

08. リンゴ追分

09. 三百六十五夜

10.  ひばりの佐渡情話

11. 哀愁波止場

12. みだれ髪

13. 愛燦燦

14. 川の流れのように

* 真赤な太陽(ボーナストラック)

~~~~~~

当初から、美空ひばりさんの代表曲とされる、「悲しい酒」「柔」は入れるつもりはなかった。

「悲しい酒」は、暗すぎる。また、数々の歌手の方が、既に取り上げておられる。

(「お祭りマンボ」も昨今、カバーが多いので却下)

「柔」については、本田さんのソプラノには、ふさわしくない、と判断した。

私の“こだわり”としては、「長崎の蝶々さん」「ひばりの渡り鳥だよ」、

そして「三百六十五夜」くらいか。

ファンではないので、B面曲、アルバム曲までは、存じ上げない。

よって、つまるところ、「月並み」な選曲に落ち着いてしまったようだ。

 

迷ったのは、「川の流れのように」の扱い。最後まで、入れるかどうか、迷った。

失礼な言い方ではあるが、本人的には、“耳タコ状態”の曲なのである。

 

「迷ってるんだけどね…、この歌。」

「うーん、でもね、これ、歌わないとね、ひばりさんのファンの皆さんの、

ヒンシュクを買う、かもですよー。」

「そっかー。“抗議殺到”…かな?」

「(笑)それに、私も、歌ってみたい」

という、本田さんの言葉で、収録が決定した。

~~~~~

 

さて、美空ひばりさんほど、「伝説」に満ちた歌手は、他におられないかもしれない。

私自身の、かって聞いたことを、若干。

「ひばりさんは、オリジナルの時と、今なお、キーを変えずに歌っている」

学生の時分に、聞いたことだが、今回じっくり聴き比べてみたが、

やはりそのようには、聴こえなかった。

2度から4度くらい、下がっているのかな、という風に感じた。

(音痴の小生のいうことだが)

対象にした曲は、私の「妄想CD」でいうと、01から03、05、

それと08の「リンゴ追分」、いわば、美空ひばりさんの「初期作品群」である。

比較したのは、東京ドームでのライブ(いわゆる「不死鳥コンサート」)CD

上にいわれていた、「オリジナル」が一体、どの時期の楽曲を指しているのか

不明であるし、所詮、些細なことではある、と思っている。

「レコーディングは常に、生オーケストラとの同時録音」

これが本当なら、凄い。余人には、けっして真似の出来ることではない。

何度か、耳にしたことがあるので、真実なのだろう。

「コロムビア・オーケストラ」の面々も、緊張の極みだったに違いない。

「楽譜は読めないが、曲は一度聴いたら、全部覚えることができた」

しかも、「完璧に」である。聴覚が並外れて、良かったのであろう。

もちろん、それに伴う歌唱も、である。

両方併さってこそ、「天才」といえるのである。

「歌手:ちあき なおみさんには注目されていた」

かって、掲示板に記した記憶がある。

楽屋で、ひばりさんが、

「若い、いい歌手が出てきたから、わたしもしっかりしなくちゃ」

と、おっしゃったことがあった。

「その若い歌手」とは、ちあき なおみさんを指していたらしいのである。

ちあき なおみさんは、ご主人が亡くなられてから、頑としてメディアの前から姿を消されたが、それはそれで、御立派な決断であろう、と私は思っている。

「歌謡界の女王」

美空ひばりさんの代名詞ではあるが、ご本人は、“抵抗”があったと聞いたことがある。

実際のところ、演歌はもちろんだが、ジャズ、ポップス、クラシック、それに民謡も、というように、レパートリーは非常に広範である。

ジャズに至っては、先程の「聴覚」の話にも戻るが、

Blue Note」といわれる、半音程度、微妙にフラットする(音程が下がる)音階も、

見事に歌いこなしておられたという。

「私は、『演歌・歌謡曲』だけじゃないから」

というのが、ずっと、ひばりさんのご本心であったろう。

 

さて、注目したのは、上の項目、

美空ひばりさんは、どんなジャンルでも歌えた」という点だ。

本田美奈子.さんも、「ノー・ジャンル」を標榜されたが、

いわば、美空ひばりさんこそが、「元祖:ノー・ジャンル」歌手である、ともいえよう。

御承知のとおり、本田さんは、

「クラシックに日本語詞をつけて歌う」という点に、新境地を開いた。

 

「日本語詞」をつけたほうが、原語で歌うよりも、はるかに、聴く人々の心に届くはずだ。

 

本田さんは、そのように考えられた。そして、

「ノー・ジャンル」の先人として、また、民族の人心をとらえて離さない

ひばりさんの存在に、行き当たったのではないだろうか。

加えて、「演歌」は、もともと、本田さんのお得意な分野でもある。

 

美空ひばりさんは、自分にとって高く聳え立つ連山には違いない、でも、登ってみたい」

 

生来の“チャレンジ精神”が、むくむくと、頭をもたげてきたのであろう。

ポップ・ロック、ミュージカル、クラシックと、制覇してきた本田さんにとっては、

 

この日本に生を受けた歌手として、そしてまた、

歌手生活20周年を迎えるにあたり、美空ひばりさんに挑むことこそが、

【歌手:本田美奈子.】 としての、「自己完結」の第一ステージである。

 

そのように、本田さんはお考えになったのではないか、と推察する。

~~~~~~

さて、この「妄想CD」、“脳内プレーヤー”でしか、再生できないのが欠点であるが、

なかなか、いい。声に“ツヤと“伸び”がある。

さすがに、本田美奈子.さん、である。

“見せ場”は、やはり、「みだれ髪」か。

ハイ・トーンの響きと美しさは、格別のものがある。

この点は、ひばりさんに、負けないかもしれない。

文字どおりの「ソプラノの至宝」である。

だからこそ、悲しい。悲しすぎる。けど、聴きたい。

「川の流れのように」は、本田さんの言われたように、やはり、入れてよかった。

ピアノ1本(乃至、無伴奏)だけのvocalだが、私的には、このほうがいい。

かつ、本田さんのソプラノは、若干、“抑え気味”に(ソフトに)演奏していただいた。

(当企画が、もう少し早ければ、ピアノは、羽田健太郎先生にお願いしたことだろう。

先生なら、“二つ返事”で快諾されたに違いない。)

~~~~~~

先に、私は、「自己完結の第一ステージ」と記したが、では、

鬼才:本田さんの「第二ステージ」には、何が在ったのか。

小生の凡庸な頭脳では、到底、分ろうはずがない。

とまれ、数か月、こうして、想いをいろいろとめぐらせながら、

ひばりさん、本田さんと御一緒に、音楽の旅ができた。

「お付き合い」させられた、ご両人にとっては、あるいは、

はなはだ“御迷惑”だったかもしれぬが、お墓参り、また、

追悼コンサートなどにも、なかなか行けぬ我が身とあっては、

この駄文が、些かなりとも、鎮魂、また御供養になれば、とも考えている。

 

読者諸賢も、色々なCDをお聴きになられたり、また、

小生の如く、さまざまな想いを胸に、本田さんと御一緒に、旅に出られることを、

お勧めしたい。

 

車窓からの眺めは、各人各様、異なるだろう。 

 

それでいいと思う。

本田さんも、幾つもの変わった景色を見られるはずだ。

あわてず、のんびりと、楽しめばいい。

 

なにしろ、美奈子さんと、私たちの旅は、

いま、始まったばかりなのだから。

                               ―了―

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PS美空ひばりさんの試聴サイトのご紹介。

  「妄想CD」の収録曲は、こちらで、試聴可能。

美空ひばりベストヒット全集(CD)|コロムビアファミリークラブ

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