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2006年12月31日 (日)

年末には「第九」。ですが(補足済)

「第九」については、新聞のコラム、等々でよく書かれているし、「のだめ」ブームの昨今とはいえ、“クラシックはどうも…”という向きに、「第九」の他に2006年を送る音楽について考えてみた。で、今回は平原綾香さんの「スタート・ライン」を取り上げてみることにした。

彼女は、当ブログでは2回目の登場であるが、前回も書いたが「最近の音大では、こういう歌唱を教わるのか」と評したことがある。「ジュピター」を聴いて感じたのだが、ブレス(息継ぎ)の音が耳について仕方がない。ブレス音は、できる限りセーブするのが、プロの歌手だと、私は思うのだが。

で、この「スタート・ライン」、ピアノに始まり、続いてストリングス、そしてコーラスも加わり、まさに「第九」並み(?)の楽曲である。また、この歌は当世はやりの、“応援歌”的なメッセージソングではある、しかし、そういった歌の多くには、その“前向きな明るさの押し売り”に辟易させられることが殆どなのだが、本曲はそういった類とは一線を画している。

 “世の中は不条理なものだ、人生とは不公平なものだろう、それは分かるよ、でもね…”そういった「想い」が私には感じられるのである。

先に、「平原さんの歌はブレスが耳につく」と書いたが、この歌については(CDを聴く限りだが)、それは気にならない。が、しかし、ただ一回だけ、彼女のブレスがはっきりと聴こえる箇所がある。私はそのとき、この曲を歌っているのは、“操り人形”的なロボットではなく、単にノーテンキな若者でもなく、生きている「生身の人間」であることを感じた。そして、「不覚にも」、涙が滲んできたことを憶えている。

仏教で「悲」(カルナー)という語があるが、これは人の傍らに居て、ただ無言でその人の苦しみ、悲しみを受け止めんとすることである。筆者はこのブレスに「悲」を想起した。また、「慈悲」という言葉もあるが、「慈」とは「はげまし」、「悲」は上記のように「慰め」である。(ということは、この曲は仏教の「慈悲心」を具現化したもの、ということになる、それはさておき)

 

「走り続けたい どんなことがあっても 神様がくれた スタート・ラインだから」という歌詞を聴くたびに、「ウン、そうだろう…そうかもしれんね…」と思いつつ、“では、オジサンも、もうちょっとだけ頑張ってみようかな”と、我が身を奮い立たせるのであります。……

新年を迎えるのに、ふさわしい曲のひとつだと思い、紹介致しました。

(プロデューサー氏、レコーディング・エンジニア氏の“策略”にハマったかな?「鬼の目にも涙」ですが、てんけいが、さて、どこで涙したかは、CDを聴いてください、ということで。アルバム『4つのL』にも収録されています。レンタル店にも、必ずあるはずです。「誓い」のカップリング曲でもあります。)

4つのL(初回生産限定盤) Music 4つのL(初回生産限定盤)

アーティスト:平原綾香
販売元:ドリーミュージック
発売日:2006/03/22
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誓い Music 誓い

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発売日:2006/01/18
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平原綾香さん……、もっともっとウマくなる歌手でしょうね。

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